Perspective

計算社会科学:感染症伝播の社会的側面について明確に考える

Nature 595, 7866 doi: 10.1038/s41586-021-03694-x

社会的および文化的な力は、人間集団における感染症の伝播のほぼ全ての面を形作るとともに、エピデミックを測定して理解し、それに対応する我々の能力も形成する。直接伝播する感染症の場合、病原体の伝播は人と人との接触に依存していて、親類関係、家庭、社会構造が接触パターンを形成し、これが次にエピデミック動態を決定する。社会的、経済的、文化的な力によっても、曝露パターン、健康追求行動、感染の転帰、症例が診断されたり報告されたりする可能性、介入の普及率が定まってくる。疫学のこうした社会的側面は定量化が難しく、政策面においてはモデル化の枠組みの一般化可能性を制限してきたが、人間行動に関連する側面についての新しいデータソースの利用可能性がどんどん増えている。研究者たちは、モバイルデバイスなどの技術で得られたデータを、疾病伝播の行動的な駆動要因の有用な代替指標として活用し始めているが、特に政策立案においては、これらの手法を測定および検証するには、なすべきことは多くある。今回我々は、地域に関する知識をモデルの枠組みの設計と新しいデータストリームの解釈に統合することによって、公衆衛生の意思決定のための政策関連モデルの可能性、そして感染症に関連する人間行動についてのロバストで一般化可能な理論の開発がどのように提供されるかについて論じる。

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