Perspective

計算社会科学:アルゴリズムに満ちた社会を測定する

Nature 595, 7866 doi: 10.1038/s41586-021-03666-1

人間社会の研究は、歴史的に社会科学の責務とされてきた。この責務を果たすには、社会理論、測定モデル、社会データが必要である。社会科学における既存の理論や測定モデルの大半は、アルゴリズムの社会への深い浸透を考慮して開発されたものではない。構造そのものがアルゴリズム挙動と人間行動の両方で形作られた社会である「アルゴリズムに満ちた社会(algorithmically infused society)」の出現によって、測定の質の不十分さ、(誤)測定がもたらす複雑な結果、既存の社会理論の限界という、3つの重要な課題が提起されている。本論文で我々は、これらの課題に取り組むには、アルゴリズムシステムが社会的現実に及ぼす影響を説明する新たな社会理論が必要であると主張する。そうした理論の開発には、データと測定を統合して理論構築を行うための新たな方法論が必要になる。測定が適用可能となる規模を考えると、測定モデルは信頼性があり、監査可能で、公正なものでなければならない。これを達成するには、測定法の開発は透明性があり参加型であるべきで、測定の質を保証し起こり得る弊害を特定するための機構を備えている必要がある。我々は、計算社会科学者は、アルゴリズムに満ちた社会のどの側面がどのような方法で測定されるべきか、そして、そうした測定がもたらす結果について、再考すべきであると主張する。

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