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神経科学:GluD1はイオンチャネル型受容体を装ったシグナル伝達装置である

Nature 595, 7866 doi: 10.1038/s41586-021-03661-6

イオンチャネル型グルタミン酸受容体のデルタ1受容体(GluD1)およびデルタ2受容体(GluD2)は、シナプス後のイオンチャネル型グルタミン酸受容体の分子構造を持つが、分泌されたセレベリンと結合した後にシナプス前のニューレキシンと相互作用することで、シナプス間接着複合体を形成する。しかし、このニューレキシン–セレベリン–GluD1/D2集合体が、接着によるシナプス形成機能を果たすのか、シナプス間のシグナル伝達を仲介するのかは明らかになっていない。今回我々は、海馬シナプスで、シナプス前のニューレキシン–セレベリン複合体のシナプス後のGluD1との結合が、シナプスの数に影響することなく、グルタミン酸受容体の活性を制御することを示す。具体的には、ニューレキシン1–セレベリン2複合体とニューレキシン3–セレベリン2複合体は、シナプス後の異なるGluD1のエフェクターシグナルを活性化することで、NMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体とAMPA(α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソキサゾールプロピオン酸)受容体を特異的に調節する。注目すべきことに、GluD1およびGluD2のN末端セレベリン結合ドメインとC末端細胞質ドメインだけが無関係な膜貫通領域でつながれた最小のコンストラクトでも、NMDA受容体とAMPA受容体のレベルを完全に調節できた。シナプス前のニューレキシン1とニューレキシン3の異なるシグナル伝達特異性は、選択的スプライシングを受けたスプライス部位4の塩基配列にコードされているのに対し、シナプス後のGluD1の調節機能は、保存された5〜13残基の細胞質塩基配列モチーフによって媒介されていた。従って、GluD類は、それらのイオンチャネル型受容体構造によることなく、細胞外のニューレキシン–セレベリンシグナルをシナプス後の受容体応答へと直接変換するという、予想外の伝達機構によってNMDA受容体とAMPA受容体を調節するシグナル伝達分子である。

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