Perspective
計算社会科学:21世紀における人間社会の意味ある測定
Nature 595, 7866 doi: 10.1038/s41586-021-03660-7
科学は、科学者が観察・測定できる範囲を超えて進歩することはほとんどなく、時には観察される物事が科学的理解のはるか先を行くこともある。人間社会の研究において、21世紀はまさにそうした瞬間をもたらしている。現在では、20世紀末に想像し得たものよりはるかに多くの行動が観察されている。対人コミュニケーション、移動、日々の活動の多くは全て科学研究に利用できる可能性があり、それは時として、科学的目的のための意図的な計測によるものだが(例えば人工衛星画像)、文字通り後付けであることの方がはるかに多い(例えばツイッターのデータストリーム)。本論文では、人間行動に関するこの大規模な計測(構造化された表現と定量化のための手法の創造)の可能性を、科学的測定およびその原理の視点から評価する。特に我々は、科学的目的のために作成されたものではないことが多いデータから、科学的な意味をどのように抽出するかという問いに着目する。こうしたデータは概念的、計算的、倫理的な課題を提示しており、そうした課題に取り組むには、急速に変化し続ける社会的現実に後れを取らないために科学的理論を一新させ、社会的現実を捉える我々の能力を変えていく必要がある。すなわち、我々はデータの管理、使用、解析の新たな手法を必要としているのである。

