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地球科学:流体に富む沈み込んだ地形が生成する異常な前弧地域の空隙率

Nature 595, 7866 doi: 10.1038/s41586-021-03619-8

沈み込む地形が断層すべりの様式に果たす役割、特に、そうした地形が巨大逆断層地震を抑制するのか促進するのかは、沈み込み帯のダイナミクスにおいて、いまだ議論の的になっている。さまざまなモデルが、沈み込む地形が沈み込み帯の構造、応力状態、機構を大きく変化させる可能性があることを示している。しかし、提案されている複雑な亀裂ネットワークの地球物理学的な直接撮像は難しく、沈み込む地形とそれに関連する上部プレート破砕帯の水文はどちらもまだよく分かっていない。今回我々は、ニュージーランドのヒクランギ沈み込み帯北部で集められた海底の受動的電磁探査データと人工信号源電磁探査データを用いて、海山が活発に沈み込んでいる領域の電気抵抗率を絞り込んだ。その結果、沈み込むプレート上の海山には空隙率の低い薄い玄武岩の蓋があり、これが空隙率の高い火山砕屑岩の導電性の基質と変成された物質を抵抗値の高いコアの上に閉じ込めており、それによって断層のない通常の海洋リソスフェアと比べて、3.2〜4.7倍の水の沈み込みが可能になることが明らかになった。我々は、前弧地域において、沈み込む海山の上にある、電気的構造が沈み込むプレートの海山に似た、堆積物に乏しいプレート境界を撮像した。沈み込む海山内部の鋭い抵抗率のピークは、上部プレートの著しい電導度異常の直下に位置する。この上部プレートの異常の位置と、突発的繰り返し地震や最近のゆっくりすべり地震に伴う地震活動の位置の一致は、沈み込む地形と、流体の過圧の調節によりプレート境界の有効鉛直応力を変化させる、前弧地域の流体に富んだ破砕帯の生成とを直接結び付けている。沈み込む海山は、上部プレートの構造と物理的条件を大きく変化させていることに加え、かなりの流量の水を前弧地域やマントル深部へと運ぶ、これまで正しく評価されていなかった機構を示している。

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