海洋科学:公平で持続可能なブルーエコノミーを可能にする条件
Nature 591, 7850 doi: 10.1038/s41586-021-03327-3
世界の海洋経済の将来は、社会的に公正で環境的に持続可能かつ経済的に実行可能な海洋産業である「ブルーエコノミー」に向けて進むと、今のところ想定されている。しかし、持続可能な開発方法には、自然資本や社会的公正に基づいて骨組みが作られた方法の視点の違いに起因して、緊張関係が存在している。今回我々は、資源の利用可能性だけでなく、社会的条件や統治能力を考慮すると、ブルーエコノミーを構築する能力とその潜在的な成果に関する見通しには明確な違いがあることを示し、複数の重複した産業の確立には限界があることを明らかにする。これは、複数の分野の指標を統合するとともに、それらの現在の能力を評価して、ブルーエコノミーの方法と整合性がある公正で持続可能かつ実行可能な海洋セクターの確立に寄与する、ファジィ論理モデルを用いた分析によって反映されている。我々は、各地域のブルーエコノミーを達成できる能力の重要な違いは、利用可能な天然資源に起因するのではなく、国家の安定性、腐敗、インフラストラクチャーなどの要因を含んでおり、的を絞った投資やクロススケールの協調によって改善される可能性があることを見いだした。知識格差は、資源の使用と管理の駆動要因と結果に関する過去の自然科学と社会科学の情報を統合し、海洋セクターの確立や変革への公正な道筋を特定することで、取り組むことができる。今回の結果は、政策立案者が研究者やステークホルダーと連携して、セクターが慎重に選択され、地域の利益が優先され、ブルーエコノミーが社会的目標、環境目標、経済的目標を達成できるようにする、科学的根拠に基づく協同計画を推進する必要があることを示唆している。

