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環境科学:米国全土で河川流が地下の帯水層へと広範に流出している可能性
Nature 591, 7850 doi: 10.1038/s41586-021-03311-x
河川の大半は、周辺の帯水層と水を交換している。地下水位が近くの河川の水位より低い場合、河川水が河床を通って浸透し、河川流量を減少させて帯水層を涵養する可能性がある。こうした「失水河川」は、水の利用可能性、水辺の生態系、環境流量に重大な影響を及ぼすが、大陸規模のin situ観測による失水河川の割合の絞り込みは、まだ不十分である。本論文では、米国本土全域の420万本の井戸の水位を分析し、それらの3分の2近く(64%)が近隣河川の水面より低いことを示す。これは、これらの河川水が、透水性が十分であれば地下へと浸透することを示唆している。適切な透水性データの欠如で、これらの地下水の流量の定量化はできないが、それでも今回の分析結果は、河川水がその下の帯水層へと流出している可能性が広範に及ぶことを立証している。このように河川水が流出している可能性がある河川は、より乾燥した気候、より平坦な地形、地下水の汲み上げが盛んな地域により多く見られた。従って今回の結果は、気候的要因、地質学的条件、過去の地下水の汲み上げが共同で、河川が、周辺の帯水層から水を得るのではなく、帯水層へと水を失う広範なリスクに寄与していることを示唆している。最近のモデル化研究では、今後数十年で失水河川が一般的になる可能性が示唆されているが、今回の直接観測の結果は、米国全土の多くの河川がすでに失水河川となっている可能性を示しており、地下水と地表水の政策を調整することの重要性を浮き彫りにしている。

