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神経科学:新皮質シナプスの構造と機能
Nature 591, 7848 doi: 10.1038/s41586-020-03134-2
1986年に、電子顕微鏡を用いて、線虫の一種Caenorhabditis elegansの神経系全体の手作業による再構築が行われた。この画期的な研究以来、ハイスループット電子顕微鏡技術によって、はるかに大きな哺乳類脳回路のシナプス分解能での再構築が可能になった。それにもかかわらず、シナプスの構造が、その生理学的な伝達強度とどのように関連しているかはいまだ分かっておらず、これがニューロンの配線図から脳機能を推定する上で主要な制約となっている。今回我々は、マウスの体性感覚皮質でのシナプス接続した錐体ニューロンのスライス電気生理学と、記録されたニューロン間で推定される全シナプス結合の相関光学顕微鏡像と高分解能電子顕微鏡像を組み合わせた。その結果、シナプスのサイズと強度は線形の関係にあり、これによって電子顕微鏡から再構築されたシナプスに生理学的な重みを割り当てる上でのミッシングリンクが得られた。量子解析からも、シナプスには少なくとも平均して2.7か所の神経伝達物質放出部位があることが明らかになった。これは、既存の放出モデルに疑問を投げ掛ける結果であり、新皮質シナプスは多胞性放出により活動していることを示すさらなる証拠である。このように新皮質シナプスは、これまでに考えられていたよりも複雑な計算装置であり、従って、カノニカルな皮質微小回路の計算能力はより高いことが示唆された。

