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がん遺伝学:異数性はがん細胞に有糸分裂チェックポイント阻害に対する脆弱性をもたらす

Nature 590, 7846 doi: 10.1038/s41586-020-03114-6

異数体細胞の選択的な標的化は、がんの治療戦略として魅力的である。しかし、異数性が臨床に関連する脆弱性をがん細胞にもたらすかどうかは、よく分かっていない。今回我々は、約1000種類のヒトがん細胞株について異数性の全体像を描き出し、遺伝的および化学的摂動スクリーニングを解析して、異数性に関連した細胞の脆弱性を明らかにする。異数体がん細胞では、有糸分裂の際に適切な染色体分離が確実に行われるよう働く紡錘体形成チェックポイント(SAC)の中核構成要素の遺伝的撹乱に対して、感受性が亢進していることが分かった。意外にも、複数のSAC阻害剤への短期的な曝露については、異数体がん細胞は二倍体細胞よりも感受性が低いことも分かった。実際、異数体がん細胞のSAC阻害剤に対する感受性は、時間がたつにつれて高くなった。異数体細胞は紡錘体の形状と動態に異常を示し、SACが阻害されても分裂し続けるため、結果として有糸分裂の異常が蓄積して、不安定で適応度の低い核型を生じる。従って、異数体がん細胞は二倍体細胞に比べてSAC阻害を容易に克服するものの、長期的には増殖が抑制される。さらに我々は、異数体がん細胞では、KIF18Aという特定の有糸分裂キネシンの活性が乱れていることを見いだした。異数体がん細胞はKIF18Aの枯渇に対して特に脆弱であり、KIF18Aを過剰発現させることでSAC阻害に対する応答が回復した。これらの結果は、異数性とSACの間にある、治療に関連する合成致死性の相互作用を明らかにしている。

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