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神経回路:多様な前肢活動の脳幹回路内の機能マップ

Nature 590, 7846 doi: 10.1038/s41586-020-03080-z

脳幹は身体運動の制御において重要な中枢である。全身の移動運動(ロコモーション)に中心的な役割を持つ脳幹の細胞タイプや回路の正確な性質についての理解は徐々に進んでいるが、巧みな前肢運動を支える神経基盤を解明する努力は、これまで主として脳幹より上位の中枢や脊髄に注がれてきた。今回我々は、脳幹の外側吻側延髄(latRM)内における巧みな前肢運動に対応した機能マップの論理を明らかにする。自由運動中のマウスでin vivo電気生理学的記録を行ったところ、latRM集団を別個の前肢活動に同調させている神経符号が明らかになった。こうした前肢活動には到達運動と食物の操作運動が含まれ、これらは共に興奮性latRMニューロンの摂動によって障害された。我々は、遺伝学的手法と、ウイルスを用いる追跡法を組み合わせて用い、興奮性latRMニューロンが、軸索投射先によって別個の集団に分離し、脳幹内および脊髄の回路を差次的に動員して作用することを示す。投射先ごとに階層化されたlatRM集団の行動上の能力を検討する中で、これらの細胞集団を光遺伝学的に刺激すると、多様な前肢運動が誘導され得ることが分かった。これらの行動はそれぞれ、個々のマウスで再現性よく発現された。まとめると、投射別に階層化された脳幹神経集団は活動の各相を符号化するとともに、全体として、複雑な前肢運動の重要な特徴を調節すると推定される構成要素の役割を果たしており、これによって巧みな前肢行動に対応する脳幹の神経基盤が明らかになった。

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