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免疫学:共生細菌による肝臓の免疫の空間的分離は宿主の防御を促進する
Nature 589, 7840 doi: 10.1038/s41586-020-2977-2
肝臓は、多種多様な免疫細胞を用いて腸から移動してくる病原体を防ぎながら、腸の門脈血管系と全身循環を接続させている。肝小葉では、血液は門脈周囲の小葉領域に位置する門脈三管から、極性のある類洞ネットワークを介して中心静脈へと流れる。このような非対称性にもかかわらず、肝臓に常在する免疫細胞は、肝小葉全体に広く分散して存在すると考えられている。これは、効果的な宿主防御を促進するために免疫細胞が空間的に偏って位置しているリンパ器官とは異なっている。今回我々は、定量的マルチプレックス画像化、遺伝的撹乱、トランスクリプトミクス、感染を基盤とするアッセイ、数理モデル化を用いて、肝臓における免疫細胞の局在と宿主防御との関係を再評価した。その結果、骨髄系とリンパ系に常在する免疫細胞は、門脈周囲領域に集中して存在していることが分かった。この非対称な分布は、発生過程で制御されたものではなく、肝類洞内皮細胞において共生細菌によって誘導される持続的なMYD88依存性シグナル伝達の結果として生じており、これが次に、ケモカイン勾配の形成に関与する細胞周囲マトリックスの組成を調節した。in vivoでの実験やモデル化から、この空間的な免疫の極性化は、細菌の全身播種を防ぐ際に均一な分布よりも効率的であることが分かった。まとめるとこれらのデータは、肝類洞内皮細胞がマイクロバイオームを感知し、免疫細胞の局在を積極的に調整して、宿主の防御を最適化することを明らかにしている。

