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分子生物学:多能性を持っている間のTRF2非依存的な染色体末端保護

Nature 589, 7840 doi: 10.1038/s41586-020-2960-y

哺乳類のテロメアは、染色体の末端を異常なDNA修復から保護している。TRF2は、テロメア特異的なシェルタリンタンパク質複合体の構成要素で、ラリアット(投げ縄)様のTループ構造内に末端テロメア反復配列を隔離することで末端保護を促進する。体細胞においてTRF2(別名TERF2)を欠失させるとTループが形成されず、これと同時にテロメアの脱保護、染色体の末端同士の融合、生存不能が起こる。今回我々は、これとは対照的に、TRF2は、多能性を持つマウスの胚性幹(ES)細胞および胚盤葉上層幹細胞ではテロメアの保護にほぼ必要ないことを証明する。TRF2を欠損したES細胞のテロメアは、減弱したテロメアDNA損傷応答を活性化するが、それに伴うテロメア融合が起こらず、複数世代にわたって増殖した。ES細胞におけるテロメアの機能不全の誘導は、体細胞でのTrf2(別名Terf2)の欠失と一致して、シェルタリン複合体全体の除去後にのみ起こった。TRF2が特に初期胚発生中にテロメアの保護にはほぼ必要ないことと一致して、多能性状態から脱出した細胞は迅速にTRF2依存的末端保護に切り替わった。さらに、Trf2ヌル胚は着床前に細胞周期の停止を起こし、特に非多能性区画において強いDNA損傷応答シグナル伝達とアポトーシスが見られた。加えて、ES細胞はTRF2非依存的にTループを形成することが分かり、これによって、TRF2が多能性状態では末端保護に必要でない理由が明らかになった。まとめると、これらのデータから、テロメアの保護は多能性組織と体細胞組織において異なる機構によって解決されていることが証明された。

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