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分子生物学:TRF2を介したテロメアの保護は多能性幹細胞では不要である

Nature 589, 7840 doi: 10.1038/s41586-020-2959-4

哺乳類では、テロメアの保護は必須のタンパク質TRF2によって仲介され、TRF2は染色体末端に結合してゲノム完全性を維持している。TRF2が枯渇すると、これまでに調べられたあらゆる細胞タイプで染色体末端同士の融合が起こる。今回我々は、マウス胚性幹(ES)細胞の増殖と生存にはTRF2は不要であることを見いだした。Trf2−/−(別名Terf2)ES細胞ではテロメアの融合が見られず、無制限に増殖することができた。ES細胞では、TRF2の欠失に応答してDNA損傷応答が抑えられており、これは、53BP1ではなくγH2AXのテロメアへの誘導によって特徴付けられる。ES細胞におけるこの独特なDNA損傷応答の制御機構を明らかにするために、我々はCRISPR–Cas9ノックアウトスクリーニングを行った。その結果、TRF2ヌルES細胞が、テロメア結合タンパク質POT1Bとクロマチンリモデリング因子BRD2に強く依存することが明らかになった。TRF2を、POT1BまたはBRD2と共に枯渇させると、テロメアでのカノニカルなDNA損傷応答が回復し、テロメア融合が高頻度に起こるようになった。ES細胞でのTRF2の枯渇は、高レベルのZSCAN4をはじめとした全能性様2細胞期の転写プログラムを活性化することが分かった。ZSCAN4の発現上昇が、TRF2非存在下でのテロメア保護に関与することも分かった。まとめると我々の結果から、初期発生におけるテロメア脱保護に対する独特な応答が明らかになった。

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