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生化学:MSL2によるRNA核形成が選択的なX染色体区画化を引き起こす

Nature 589, 7840 doi: 10.1038/s41586-020-2935-z

遺伝子量補償のためにX染色体をある領域内に封じ込めることは、核内の区画化をメガ塩基規模の転写の調節に用いる仕組みの典型例である。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)では、2種類の性特異的ノンコーディングRNA(roX1とroX2)がX染色体から転写され、雄特異的致死(MSL)複合体に結合し、これがヒストンH4リシン16をアセチル化して、雄のX連鎖遺伝子の発現を約2倍に増やしている。現在のモデルは、MSL複合体が常染色体よりもX染色体に対して高い特異性を示すのは、MSL2サブユニットがシス調節DNA高親和性部位(HAS)を認識することによると示唆している。しかし、HASモチーフは常染色体上にも存在するので、MSL複合体とX染色体との結合を安定化するには他の因子が必要だと考えられる。今回我々は、MSL2複合体の複雑性の低いC末端ドメイン(CTD)の働きによって、MSL2複合体のX染色体への誘導がroXノンコーディングRNAに感受性を持つようになることを明らかにする。roXノンコーディングRNAとMSL2のCTDは安定な凝縮状態を形成する。ショウジョウバエや哺乳類細胞での機能分析から、この相互作用がin vivoでの遺伝子量補償に不可欠であることが判明した。哺乳類のMSL2のCTDをショウジョウバエ由来のCTDに置換し、roXをシスに発現させるだけで、哺乳類細胞で異所性遺伝子量補償を達成することができた。従って、roX–MSL2CTDの凝集特性が、ショウジョウバエでのX染色体の特異的区画化の主要な決定因子であることが示された。

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