情報技術:集積フォトニックテンソルコアを用いる並列畳み込み処理
Nature 589, 7840 doi: 10.1038/s41586-020-03070-1
超高速モバイルネットワークやインターネット接続のデバイスの普及と、人工知能(AI)の進歩に伴い、世界で生み出されるデータの量は指数関数的に増え続けており、高速かつ効率的な処理が必要とされている。そのため、高度に並列化された高速でスケーラブルなハードウエアの重要性が次第に増している。今回我々は、1秒間に数兆回の積和演算(毎秒1012回のMAC演算または毎秒テラ回のMAC演算)という速度で演算可能な、計算特化型の集積フォトニックハードウエアアクセラレーター(テンソルコア)を実証する。このテンソルコアは、特定用途向け集積回路(ASIC)の光学版と見なすことができ、相変化材料メモリーアレイとフォトニックチップベースの光周波数コム(ソリトンマイクロコム)を用いて並列化フォトニックインメモリーコンピューティングを実現する。計算は再構成可能な非共鳴受動素子の光透過の測定に簡約化され、動作は14 GHzを超える帯域幅で可能で、変調器と光検出器の速度によってのみ制限される。マイクロ波ラインレートでのソリトンマイクロコム、超低損失窒化シリコン導波路、高速オンチップ検出器および変調器のハイブリッド集積における最近の進歩を考慮すると、今回の手法から、フォトニックテンソルコアの完全な相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ウエハースケール集積への道筋が得られる。我々の研究は畳み込み処理に重点を置いたものだが、今回の結果は、より一般的には、自動運転、ライブ動画処理、次世代クラウドコンピューティングサービスなどの大量のデータを扱うAI応用における並列・高速・高効率計算ハードウエア向けの集積フォトニクスの可能性を示している。

