Article
がん:組織再生とがんを模擬する膀胱アセンブロイドの作製
Nature 588, 7839 doi: 10.1038/s41586-020-3034-x
現在のオルガノイドモデルは、成熟した器官構造や関連する組織微小環境を模擬できないという制限がある。今回我々は、組織幹細胞を間質成分と共に再構築することにより、間質を取り囲む上皮と外側の筋肉層を備えた組織化された構造を有する、多層構造の膀胱「アセンブロイド(assembloid)」を作製した。これらのアセンブロイドは、細胞組成や単一細胞トランスクリプトームレベルでの遺伝子発現において、成体の成熟膀胱で見られる特性を示し、損傷に対する再生応答のin vivoでの組織動態を再現した。我々はまた、悪性腫瘍に対応する腫瘍アセンブロイドを開発し、尿路上皮がんのin vivoの病態生理学的特徴を再現した。さらに我々は、遺伝的に操作した腫瘍アセンブロイドプラットフォームを用いて、間質の骨形成タンパク質(BMP)によって誘導される腫瘍性FOXA1が、腫瘍表現型を決定するためのエンハンサー再プログラム化を引き起こす主要なパイオニア因子であることを突き止めた。これは、腫瘍可塑性の制御では、腫瘍と間質の間のFOXA1–BMP–ヘッジホッグシグナル伝達フィードバック軸が重要であることを示唆している。

