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物性物理学:魔法角ねじれ2層グラフェンにおける強相関チャーン絶縁体
Nature 588, 7839 doi: 10.1038/s41586-020-3028-8
電子とそのエネルギーバンドのトポロジーの相互作用によって、異常量子物質相が形成される可能性がある。トポロジカル電子相の大半は、電子–電子相互作用の弱い系に現れる。トポロジカル相が強い相互作用の結果としてのみ現れた例はまれであり、ほとんどは強磁場下で実現されたものである。魔法角ねじれ2層グラフェン(MATBG)においてトポロジカル性を有するフラット電子バンドが発見されたことで、強相関トポロジカル相を探索する独自の機会が生まれた。今回我々は、走査型トンネル顕微鏡を用いる局所分光法を取り入れ、MATBGにおいてチャーン数C = ±1, ±2, ±3の一連のトポロジカル絶縁体を検出したことを報告する。これらのトポロジカル絶縁体は、それぞれ充填率(モアレ単位格子当たりの電子数)±3, ±2, ±1の付近で形成され、弱い磁場によって安定化した。今回検出された相の1つ(C = +1)は、過去に、六方晶窒化ホウ素基板によってMATBGの副格子対称性が意図的に破られた際に観測されており、ここでは相互作用が二次的な役割を果たしていた。我々は、強い電子–電子相互作用が単独で、MATBGにおいて、過去に観測された相だけでなく他の予期せぬチャーン絶縁体相も生じさせ得ることを実証する。我々が観測した一連の相の全ては、強い相関が時間反転対称性の破れに有利に働いてチャーン絶縁体を形成し、これらが弱磁場で安定化すると仮定することによって理解できる。今回の知見は、多体相関によって、モアレ系に弱相互作用モデルから予想される相を超えたトポロジカル相が形成され得ることを例証している。

