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神経科学:神経ペプチドPth2は機械感覚を介して他者を動的に感知する

Nature 588, 7839 doi: 10.1038/s41586-020-2988-z

生存のために社会的集団への所属に依存する生物種では、社会的関係が制限されたり、社会的に孤立したりするとニューロンの遺伝子発現や挙動に変化が生じる。今回我々は、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)が生涯にわたって社会的に孤立すると、脊椎動物特異的な神経ペプチドPth2をコードする遺伝子pth2の転写レベルが特異的に低下することを明らかにする。しかし、それまで孤立していたゼブラフィッシュを同種の生物に30分間触れさせるだけで、pth2転写産物レベルの著しい救済が始まった。pth2の転写は二方向性の動態を示し、社会の中で育てられたゼブラフィッシュを短時間孤立させると、pth2レベルの急激な減少が観察された。pth2の発現は、他個体の存在だけでなく、集団の密度も追従した。pth2の発現を制御する感覚モダリティーは元来、視覚的なものでも化学物質によるものでもなく、近接個体の動きによって生じる機械感覚によっていた。ゼブラフィッシュの側線にある機械感受性の感丘細胞を化学的に除去すると、社会的環境によって誘発されるpth2レベルの救済が起こらなくなった。また、水を、ゼブラフィッシュの尾部の動きによく似た周波数で機械的に撹乱するだけで、それまで孤立していたゼブラフィッシュのpth2レベルの救済を起こすのに十分だった。これらのデータは、比較的調べられることが少なかった神経ペプチドPth2の役割は、動物の社会的環境の集団密度の追跡およびそれに対する応答の両方において、これまで正しく評価されていなかったことを示している。

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