Article
微生物学:微生物群集の高度マルチプレックス空間マッピング
Nature 588, 7839 doi: 10.1038/s41586-020-2983-4
環境マイクロバイオームに含まれる種は密度が高くて多様性に富んでおり、光学的画像化技術に限界があるため、微生物群集の複雑な生物地理学的性質をin situで、分類学的および空間的に高い分解能でマッピングすることは難しい。今回我々は、2進符号化、スペクトル画像化、機械学習による解読を用いて複雑な群集中で数百の微生物種を識別し、それらの位置をマイクロメートルスケールでマッピングすることのできる汎用的技術、HiPR-FISH(high-phylogenetic-resolution microbiome mapping by fluorescence in situ hybridization)法を提示する。我々は、10ビットのHiPR-FISHで、それぞれが独特の2進バーコードで蛍光標識された大腸菌(Escherichia coli)分離株1023株を識別できることを示す。HiPR-FISHと、自動プローブ設計および単一細胞画像の解析のためのカスタムアルゴリズムを組み合わせて用いたところ、マウス腸マイクロバイオームでは抗生物質投与に応答して空間ネットワークが破壊されること、そしてヒト口腔歯垢マイクロバイオームの空間構造は長期的に安定していることが明らかになった。また、HiPR-FISHと超分解能画像化を組み合わせたところ、ヒト口腔マイクロバイオームのタクソンはリボソーム構成の多様な戦略を示すことが分かった。HiPR-FISHは、環境微生物群集の空間生態学的性質を単一細胞の分解能で解析するための枠組みとなる。

