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漁業:草の根の保護区のネットワークが熱帯河川魚類の多様性を守る

Nature 588, 7839 doi: 10.1038/s41586-020-2944-y

集約的な漁業によって、世界各地の水界生態系で魚類の生物多様性が低下し、個体数が減少している。「禁漁」の海洋保護区は海洋生態系ベースの漁業管理の基礎となっており、そうした保護区が隣接する漁場にもたらす利益は、複数の近隣保護区間の相乗効果を育むような保護区の設計において最大となる。こうした海洋保護区ネットワークの枠組みを、河川の生物多様性や内水面漁業に応用できるかどうかは、ほとんど検証されていない。今回我々は、タイのサルウィン川流域の23の異なる地域社会によって設定された保護区では、魚類の種の豊富さ、密度、生物量が、隣接水域と比べて著しく増大したことを示す。さらに、海洋生態系における保護海域の成功の重要な関連要因(特に保護区のサイズと強制力)が、河川保護区において生態学的利益の差異を予測することも分かった。ネットワーク内で中心的な位置を占めると利益はさらに増え、これは樹枝状の河川系では接続性が重要であることを強調している。これらの保護区がまだ新しく(設定から25年未満)、公的な調整なしに設定されたことに鑑みれば、こうしたネットワークベースの利益の出現は注目に値する。世界の保護地域には淡水生態系のものが少なく、今回の知見は、世界の河川がかつてない圧力にさらされている現状において、地域社会ベースの小規模な保護区のネットワークが生物多様性を保護して漁獲量を増大させる一般化可能なモデルとなることを示唆している。

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