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細胞生物学:MFSD12はメラノソームとリソソームへのシステインの取り込みを仲介する
Nature 588, 7839 doi: 10.1038/s41586-020-2937-x
ヒトの色素沈着にはさまざまな種類があり、数十もの遺伝子が関わっている。これらの遺伝子の多くは、メラノソーム(リソソームに近縁の細胞小器官で、色素を合成する)に局在するが、機能がよく分かっていないタンパク質をコードしている。本論文では、メラノソームを迅速に単離して、そこに含まれる不安定な代謝物質を網羅的に解析できる手法であるMelanoIPについて報告する。我々はこの手法を用いて膜貫通型タンパク質MFSD12の詳しい解析を行った。MFSD12は、分子機能は不明だが、抑制するとマウスとヒトで濃い色素沈着を引き起こすことが分かっている。解析の結果、MFSD12はメラノソームのシスチン(システインの酸化型二量体)の正常レベルの維持と、システイニルドーパの産生に必要であることが明らかになった。システイニルドーパは、メラノソームでシステインの酸化によって合成されるフェオメラニンの前駆体である。トレーシングと生化学分析によって、MFSD12がシステインのメラノソームへの取り込みと、非色素細胞でのリソソームへの取り込みに必要であることが分かった。実際、シスチノーシス(リソソームのシスチン搬出タンパク質シスチノシンの不活性化によるリソソーム蓄積症)の患者に由来する繊維芽細胞のリソソームでは、MFSD12を欠失させるとシスチンの蓄積が減少する。従って、MFSD12はメラノソームとリソソームへのシステインの取り込みに不可欠なタンパク質成分である。

