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遺伝学:哺乳類におけるトランスクリプトームとトランスレートームの共進化

Nature 588, 7839 doi: 10.1038/s41586-020-2899-z

遺伝子発現プログラムによって、共有される表現型や種特異的な表現型が定まるが、それらの進化の特徴についてはトランスクリプトーム層を超えたものはほとんど明らかになっていない。今回我々は、5種の哺乳類(ヒト、アカゲザル、マウス、ハイイロジネズミオポッサム、カモノハシ)と1種の鳥類(セキショクヤケイ)の3器官(脳、肝臓、精巣)において、リボソームプロファイリングと対応するRNA塩基配列解読のデータを用い、トランスレートームとトランスクリプトームの共進化について解析を行った。種内解析の結果から、翻訳調節が異なる器官で広く見られ、特に精巣の精子形成細胞タイプ全体に多く見られることが明らかになった。一方、遺伝子発現における種間の相違は、トランスレートーム層ではトランスクリプトーム層より約20%少なかった。これは、これらの発現層の間に広範な緩衝が存在するためで、特に進化的に古い遺伝子、必須遺伝子、ハウスキーピング遺伝子が保存されていた。翻訳の上方制御は、具体的には、性染色体の進化では全体的な遺伝子量の減少を、精子形成では減数分裂での性染色体不活性化の影響を相殺した。緩衝が全体的に見られるにもかかわらず、一部の遺伝子はトランスレートーム層でより速く進化しており、これは、発現における適応変化を示している可能性がある。こうした遺伝子の割合が最も高いのは、精巣組織であった。質量分析によるプロテオミクスデータを統合したさらなる解析からは、トランスクリプトームとトランスレートームの共進化がプロテオーム層に反映されていることが立証された。まとめると我々の研究は、複数の発現層にわたる共進化パターンと関連する選択圧を明らかにするとともに、哺乳類器官におけるそれらの相互作用を理解するための情報資源となる。

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