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構造生物学:ミオシンIIの阻害(10S)型のクライオ電子顕微鏡構造
Nature 588, 7838 doi: 10.1038/s41586-020-3007-0
ミオシンIIは、筋細胞の収縮や非筋細胞の移動や変形を可能にするモータータンパク質である。ミオシンII分子は長く伸びた尾部に全く同じ2つの頭部が付着していて、10Sと6S(沈降係数から命名された)という2種類のコンホメーションで存在する。6Sコンホメーションは伸びた尾部を持ち、これが重合してフィラメントを形成する。このフィラメントはアクチンフィラメントを引き寄せて力や運動を発生させる。10Sミオシンでは、尾部は3つの区画を作るように折りたたまれ、頭部は折り返されて頭部同士、それに尾部と相互作用してコンパクトなコンホメーションが作られ、この状態ではATPアーゼ活性やアクチン活性化、フィラメント集合の全てがしっかりと抑制されている。このスイッチが切れた構造は、筋細胞や非筋細胞で重要なエネルギーを節約して保存する分子として機能するように見え、必要に応じて活性化されて、機能を備えたフィラメントを形成することができる。しかし、その抑制機構は分かっていない。今回我々は、クライオ電子顕微鏡法によって、平滑筋10Sミオシンの構造を、分子の頭部領域と尾部領域の機能と阻害を引き起こす重要な分子内接触のさらなる解明を進めるのに十分高い分解能で解いた。我々の結果から、ミオシンIIのオフ状態、そのリン酸化による活性化とコンパクトなコンホメーションの解除、また分子内相互作用部位の近傍にある疾患の原因となる変異の集積化を解明するための原子モデルが示唆された。

