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生化学:摂食はmTORC1–USP20–HMGCR軸を介してコレステロール生合成を誘導する

Nature 588, 7838 doi: 10.1038/s41586-020-2928-y

コレステロールは必須の脂質であり、その合成には栄養的にもエネルギー的にもコストがかかる。哺乳類では、コレステロール生合成は摂食後に増加し、絶食条件下で抑制される。しかし、絶食と摂食の移行時におけるコレステロール生合成の調節機構については、よく分かっていない。今回我々は、脱ユビキチン化酵素USP20(ubiquitin-specific peptidase 20)が、摂食状態でコレステロール生合成経路の律速酵素であるHMG-CoAレダクターゼ(HMGCR)を安定化することを明らかにする。食後のインスリンとグルコース濃度の上昇はmTORC1を刺激してUSP20のS132とS134をリン酸化し、USP20はHMGCR複合体に誘導され、その分解に拮抗する。肝臓特異的にUsp20を欠失したマウスやUSP20(S132A/S134A)ノックインマウスでは、摂食により誘導されるHMGCRの安定化が起こらなくなった。USP20の遺伝的欠失や薬理学的阻害は、食餌による体重増加を著しく減少させ、血清と肝臓中の脂質レベルを低下させ、インスリン感受性を改善し、エネルギー消費を増加させた。これらの代謝変化は、構成的に安定なHMGCR(K248R)の発現により回復した。本研究は、USP20リン酸化を介したmTORC1からHMGCRへの予想外の調節軸を明らかにし、USP20の阻害剤を用いてコレステロールレベルを低下させて、高脂血症や脂肪肝、肥満、糖尿病などの代謝疾患が治療できる可能性を示唆している。

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