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光物理学:ブリルアンレーザー・サブシステムを用いた光原子時計の動作
Nature 588, 7837 doi: 10.1038/s41586-020-2981-6
マイクロ波原子時計はこれまで、時間と周波数の精密測定の「標準基準」としての役割を果たしてきた。しかしここ10年で、光原子時計が、マイクロ波原子時計の精度を2桁以上上回る精度を実現するようになっている。現存する光原子時計は体積が1 m3を超えており、こうした時計を屋外環境で動作できるようにするのは大きな課題で、それらを支えるレーザーや電子機器に加えて、原子参照やクロックレーザーの堅牢化および小型化が必要となる。クロックレーザーに関しては、実験室における光時計の以前の実証は、バルク共振器を用いた安定化によって得られる非常に優れた性能に依存しており、残念なことに、この方法は真空の使用が必要となるだけでなく、レーザーが振動によって生じる雑音の影響を受けやすくなる。今回我々は、共振器の体積が小さく、真空を用いずに動作する誘導ブリルアン散乱レーザー・サブシステムを用いて、携帯可能な光原子時計アーキテクチャーの有望な構成要素を実証する。我々は、今回の誘導ブリルアン散乱レーザーを用いて88Sr+イオンを測定し、1秒間に3.9 × 10−14の短期安定度を示す時計を実現した。この値は、最先端のマイクロ波時計よりも1桁優れている。携帯できる可能性のあるシステムにおけるこうした性能の向上によって、全地球測位システム(GPS)などの既存技術を大幅に改善し、また、地球の測地測量、暗黒物質の探索、基礎物理定数の長期変動の可能性の探求といったテーマの研究を可能にする有力な手段が得られる。

