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微生物学:ヒトにおいて腸の微生物相は免疫細胞動態に関連している
Nature 588, 7837 doi: 10.1038/s41586-020-2971-8
腸の微生物相は、哺乳類の免疫系の発達や恒常性に影響を及ぼし、ヒトの炎症性疾患や免疫疾患に加え、免疫療法への応答とも関連付けられている。それにもかかわらず、腸内細菌が免疫系を調節する仕組みについての我々の理解は限定的で、特にヒトでは、直接実験が難しくて推論が困難なため解明が進んでいない。今回我々は、入院して厳重に監視されている、造血細胞移植を受けた数百人の患者を対象に、彼らが化学療法から回復し、幹細胞が生着する間、研究を行った。この積極的治療では、循環血中の免疫細胞集団と微生物相の集団の両方に大きな変化が起きるため、両者の関係の同時研究が可能になる。循環血中の好中球数、リンパ球数、単球数と1万を超える縦断的な微生物相試料において毎日観察される変化の解析によって、腸内細菌と免疫細胞動態の間に一貫した関連性があることが明らかになった。高分解能の臨床メタデータとベイズ推定から、免疫調節薬の影響と関連させた細菌属の影響の比較が可能になり、これによって、腸の微生物相が、全体としておよび経時的に、全身の免疫細胞動態にかなりの影響を及ぼすことが明らかになった。我々の解析は、腸の微生物相とヒトの免疫系の間のつながりを確立・定量化するもので、微生物相が駆動する免疫調節の存在を示唆している。

