生態学:脊椎動物のクラスター化した減少と全球規模の壊滅的減少
Nature 588, 7837 doi: 10.1038/s41586-020-2920-6
近年の分析では、脊椎動物の個体数が全球規模で壊滅的に減少していると報告されている。しかし、多くの傾向を1つの全球平均指数にまとめることで、保全措置に情報を与え、分析における判断に敏感である可能性のある多様性が不明瞭になっている。例えば、過去の分析では、脊椎動物は1970年以降に平均50%以上減少したと推定されている[生きている地球指数(Living Planet Index)]。これに対し、今回我々は、この推定結果が脊椎動物の個体群の3%未満によってもたらされたものであり、これらの極端に減少している個体群を除外すれば、全球の傾向は増加に転じることを示す。外れ値に対する全球平均の傾向のこうした敏感さは、さらに情報量の多い指数が必要であることを示唆している。我々は、別の手段として、大部分の個体群の傾向とは統計的に異なる、極端な減少(または増加)のクラスターを特定する方法を提案する。生きている地球指数の分類学と地理学に基づく系のうち、16の系には極端な減少のクラスターが含まれており(個体群の約1%を占める;これらの極端な減少は大型動物に偏って認められた)、7つの系には極端な増加のクラスターが含まれていた(個体群の約0.4%を占める)。全ての系にわたる残りの98.6%の個体群では、全球平均に傾向は見られなかった。一方、これらを別々に分析すると、3つの系では高い確度で著しい減少が見られ(いずれもインド太平洋地域)、7つの系ではより低い確度で著しい減少が見られた(主に爬虫類および両生類の集団)。極端なクラスターを考慮に入れることで、脊椎動物の全球的傾向の解釈が根本的に変わることから、この概念を用いて保全努力の優先順位付けに役立てるべきである。

