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ウイルス学:LDLRAD3はベネズエラウマ脳炎ウイルスの受容体である

Nature 588, 7837 doi: 10.1038/s41586-020-2915-3

ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)は、蚊によって媒介される向神経性のアルファウイルスで、ヒトで脳炎や死亡の原因となる。VEEVは、エアロゾル感染が可能であり、現在のところ十分な治療法がないため、生物兵器防御の観点でも懸念されている。VEEVの侵入と感染に必要な宿主側の因子は、ほとんど解明されていない。今回我々は、CRISPR–Cas9を利用したゲノム規模スクリーニングを行い、LDLRAD3(low-density lipoprotein receptor class A domain-containing 3)がVEEVの受容体であることを明らかにした。LDLRAD3は、高度に保存されているがその特性がこれまで明らかにされていなかった、スカベンジャー受容体スーパーファミリーのメンバーである。マウスのLdlrad3やヒトのLDLRAD3を遺伝子編集すると、ニューロンへのウイルス感染が著しく抑制され、LDLRAD3を補完するとウイルス感染が回復した。LDLRAD3はVEEV粒子に直接結合し、宿主細胞へのウイルスの付着とインターナリゼーションを促進する。遺伝学的解析により、LDLRAD3のドメイン1(LDLRAD3(D1))はVEEVの感染を支えるために必要十分であり、抗LDLRAD3抗体とLDLRAD3(D1)–Fc融合タンパク質は、どちらも細胞培養でVEEV感染を阻害することが示された。Ldlrad3を欠失したマウスではVEEV感染による発症が抑制され、LDLRAD3(D1)–Fcの投与によって、高い病原性を持つ系統を含む、複数のVEEVサブタイプによって引き起こされる疾患が見られなくなった。このデコイ受容体融合タンパク質の開発から、ヒトでの重篤なVEEV感染や関連疾患を防ぐ戦略が示唆される。

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