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免疫学:腸の胚中心におけるB細胞選択の調節可能な動態

Nature 588, 7837 doi: 10.1038/s41586-020-2865-9

胚中心は、B細胞が分化してさまざまな抗原に高い親和性を示す抗体を産生するための構造であり、通常は感染、あるいは免疫感作に応答してリンパ器官に一過性に形成される。しかし、腸に関連するリンパ器官では、胚中心が慢性的に存在している。腸に関連するこのような胚中心は、腸の感染や免疫感作に対する標的抗体応答を維持することができる。しかし、定常状態でこれらの構造の特徴である慢性的で多様な抗原刺激を受けながら、B細胞選択や抗体親和性成熟が行われるのかどうかはよく分かっていない。今回我々は、「Brainbow」によるマルチカラー細胞運命マッピングと単一細胞由来の免疫グロブリン遺伝子の塩基配列解読を組み合わせることにより、SPF(特定病原体除去)マウスの腸関連胚中心の5〜10%に、胚中心B細胞の速い代謝回転にもかかわらず、非常に優勢な「勝ち組(winner)」B細胞クローンが定常状態で含まれていることを明らかにした。これらのクローンに由来するモノクローナル抗体は、変異が生じていない前駆抗体と比較すると、共生細菌への結合が高まっていて、これは抗原による選択と一致している。高度な選択が起こった腸関連胚中心が見られる頻度は、SPFマウスよりも無菌マウスの方が顕著に高く、無菌マウス胚中心の勝ち組B細胞は多数の個体に見られる「一般的(public)」クロノタイプに豊富に存在し、これは微生物相が存在しない場合でさえB細胞抗原受容体の強力な選択が起こっていることを示している。性質がはっきりしている微生物コンソーシアム(Oligo-MM12)を無菌マウスに定着させると、無菌関連のクロノタイプは除去されないが、抗原による選択の特徴を備えた共生細菌特異的B細胞応答が同時に誘導される。従って、B細胞の正の選択は定常状態の腸関連胚中心で起こり得る事象で、その速度は微生物相の存在や組成によって広範囲にわたって調節可能である。

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