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免疫学:COVID-19の疾患転帰の背景にある免疫応答の性差

Nature 588, 7837 doi: 10.1038/s41586-020-2700-3

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、女性よりも男性の方が重篤化し、死亡率も高いことを示す証拠が増えてきている。しかし、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫応答が性別によって異なるのかどうか、またそのような差がCOVID-19の臨床経過での性差と関連するのかどうかは、現時点では明らかになっていない。今回我々は、免疫調節薬の投与を受けていない中等症のCOVID-19患者において、ウイルス量、SARS-CoV-2特異的抗体の抗体価、血漿サイトカイン、血液細胞の表現型の性差を調べた。その結果、男性患者ではIL-8やIL-18などの自然免疫サイトカインの血漿レベルがより高く、非古典的単球のよりロバストな誘導も起きていた。対照的に、女性患者ではSARS-CoV-2の感染時に、男性患者よりもロバストなT細胞活性化が見られた。特に、男性患者ではT細胞応答の低さは患者の年齢と負に相関し、疾患転帰の不良とも関連していたが、女性患者では関連がないことが分かった。対照的に、女性患者では自然免疫サイトカインの高いレベルが疾患の重篤化と相関していたが、男性患者ではそうではなかった。これらの知見は、COVID-19で観察された性別による偏りを説明し得るものであり、男女のCOVID-19患者の治療やケアにおける性別に基づいた方法の開発に重要な基盤を提供する。

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