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化学:電極触媒的酸素発生反応における化学とバイアスの重要な役割

Nature 587, 7834 doi: 10.1038/s41586-020-2908-2

酸素発生反応は、再生可能電力から化学燃料への変換に必要なプロトンと電子を供給するため、多くの代替エネルギー構想において重要な役割を果たしている。電極触媒は、化学結合の形成と切断を促進するだけでなく、必要な電子移動を促すことによって、酸素発生反応を加速させる。こうした根本的に異なる過程への関与によって複雑な電気化学的速度論が生じるが、そうした速度論は理解や制御が難しい場合があり、通常は過電圧に指数関数的に依存する。こうした挙動は、電子移動に重点を置いた現象論的なバトラー・フォルマー理論に従って印加バイアスが反応を駆動する場合に現れ、これによってターフェル解析を用いた準平衡状態または定常状態という仮定の下での機構的知見の獲得が可能になる。しかし、バイアス下での触媒表面の帯電も結合の形成や切断に影響を及ぼし、それが電極触媒反応速度に及ぼす影響は、現象論的ターフェル解析では考慮されておらず、不明なことが多い。今回我々は、酸化イリジウムにおけるパルスボルタンメトリーとオペランドX線吸収分光測定の結果について報告し、印加バイアスは、反応座標に直接作用しないが、触媒での電荷蓄積を通して電極触媒的に生成された電流に影響を及ぼすことを示す。活性化自由エネルギーは、蓄積された酸化電荷の量に応じて直線的に減少することが見いだされ、この関係が、電極触媒性能の基礎であり、測定と計算を用いて評価できることが示された。我々は、今回の知見と方法が他の電極触媒材料の理解を深め、性能を向上させたシステムを設計するのに役立つと予想する。

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