天文学:数千年前の星の合体から生じた青い環状の星雲
Nature 587, 7834 doi: 10.1038/s41586-020-2893-5
星の合体は、連星系の進化における、短時間だが一般的な段階である。この事象は、多くの天体物理学的な側面に関係しており、例えば、特殊な星(帯磁星や青色はぐれ星、高速自転星など)の誕生につながる可能性があったり、星の種族の解釈に重要な役割を果たしたり、コンパクト天体の合体の形成経路となったりする。これまでに少数の星の合体が直接観測されてきたが、これらの事象の中心部の残骸は不透明な塵や分子の殻に覆われており、最終的な状態(例えば、合体して1個の星になるのか、より近接した連星として生き残るのか)の観測は不可能だった。本論文では、特異な環状の紫外光の(「青い」)星雲と、その中心に位置する星TYC 2597-735-1の観測結果について報告する。この星雲には反対向きに2つの面があることから、TYC 2597-735-1からの双極的な物質のアウトフローが示唆される。TYC 2597-735-1のスペクトルと、銀河面に近接したその位置から、この星は老いた星だが、表面重力が異常に小さく、検出可能な長期にわたる光度の低下が示唆される。この特徴は、老いた星のものとしては珍しい。TYC 2597-735-1は、Hα輝線、視線速度の変化、紫外放射の増強、赤外放射の超過も示しており、これらは、塵に富む星周円盤、星の活動、降着の特徴である。今回の観測結果と星の進化モデルを組み合わせると、TYC 2597-735-1が数千年前により質量の小さい伴星と合体したことが示唆される。TYC 2597-735-1によって、合体の動的な始まりと理論的な最終平衡状態の間の進化段階にある星の合体を妨げられることなく調べることができ、明瞭な合体過程の直接的な研究が可能になる。

