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神経科学:皮質の自発的進行波が行動中の霊長類で知覚を調節する
Nature 587, 7834 doi: 10.1038/s41586-020-2802-y
知覚の感度は刻々と変化する。この変動性の起源の1つと想定されるのは、波として進むことのできる皮質活動の自発的な変動である。この自発的進行波は麻酔下で報告されているが、これが覚醒中の知覚で役割を持つかどうかは分かっていない。今回我々は、覚醒・行動中のコモンマーモセット(Callithri jacchus)の有線外視覚野において、新たに開発された解析技術を用いて雑音の多い多電極データの経時変化を明らかにし、活動の自発的な進行波を特定した。微弱な視覚目標を感知するよう訓練されたマーモセットでは、目標出現前の自発的進行波のタイミングと場所によって、目標で誘発される活動の強さと目標感知の成功率を予測できた。対照的に、空間的に無秩序な神経活動の変動は、予測性を大きく欠いていた。これらの結果は、神経と知覚の感度の調整を介した感覚処理における、自発的進行波の重要な役割を明らかにしている。

