材料科学:超高感度で復元力と追従性のある、ソフトマシン向けのひずみゲージ
Nature 587, 7833 doi: 10.1038/s41586-020-2892-6
ソフトマシンは、環境との穏やかな相互作用を求められるヒューマンセントリックなデバイスやシステムのための有望な設計パラダイムである。ソフトマシンが周囲の環境に対して知的な応答をするには、追従性のある感覚フィードバック機構が必要である。具体的には、ひずみゲージに代わる、低ひずみ(5%未満)における分解能の高いソフトな代替デバイスによって、ソフトシステムの有望な新しい能力が開かれる可能性がある。しかし、現在利用可能なセンシング機構には、高いひずみ感度か高い機械的復元力のいずれかしか備わっていないことが多い。復元力と追従性を有する超高感度センシング機構がほとんどないため、その動作は実験室内に限られ、広範な展開が妨げられている。本論文では、異方性抵抗構造のひずみ媒介接触(SCARS)に基づく、機械的復元力の高い、高感度ひずみ検出向けの汎用的で追従性のある変換機構を提示する。この機構は、伸縮性フィルムで封止された、剛性が高くて微細構造と異方的導電性を持つ蛇行部の間のオーム性(オーミック)接触の変化を利用している。この機構は、ゲージ率が8万5000を超える高い感度を実現すると同時に、高強度の導体との使用にも適合し得るため、不利な負荷条件に対して復元力のあるセンサーが得られる。さらに、このセンシング機構は、高い線形性だけでなく、ソフトデバイス応用において重要な特徴となる曲げ変形やねじり変形に対する非感受性も示す。我々は、今回の技術の潜在的な影響を実証するために、手の動きを妨げずにジェスチャーを認識できる、センサーを組み込んだ軽量の織物製アームスリーブを作製した。我々は、腕の筋肉のかすかな動きの検出を通した、個別のジェスチャーと連続的な手の動きの予測追跡と分類を実証する。今回のアームスリーブの実証は、動きを邪魔しないウエアラブルな生体力学フィードバックシステムやヒューマン・コンピューター・インターフェースの開発のためのSCARS技術の可能性を示している。

