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核物理学:改善された重水素燃焼速度から得られた宇宙のバリオン密度

Nature 587, 7833 doi: 10.1038/s41586-020-2878-4

軽元素は、宇宙の最初の数分間に、ビッグバン元素合成(BBN)と呼ばれる一連の核反応によって生成された。BBNで生成された軽元素のうち、重水素は宇宙論的パラメーターの非常に良い指標である。その存在度は、宇宙初期のバリオン密度に非常に敏感であるとともに、初期宇宙に充満しているニュートリノ種の数にも依存しているためである。宇宙初期の重水素存在度の天文学的な観測はパーセント精度に達しているものの、BBNに基づく理論的な予測は、重水素が燃焼するD(p,γ)3He反応の断面積の不確かさが大きいために阻まれている。今回我々は、この反応の断面積を改善することによってバリオン密度のBBNの推定値が1.6%のレベルで得られ、これは宇宙マイクロ波背景放射に関する最近の解析結果と非常によく一致することを示す。改善された断面積データは、イタリア国立核物理学研究所グランサッソ国立研究所の地下核宇宙物理学実験施設(Laboratory for Underground Nuclear Astrophysics;LUNA)において、地下深くでは宇宙線バックグラウンドが無視できるという状況を利用して得られた。我々は、高純度の重水素ガスの標的にLUNAの400 kV加速器からの強力な陽子線を衝突させ、高純度ゲルマニウム検出器を用いて、研究対象の核反応で生じたγ線を検出した。今回の実験結果は、BBNの計算に入力される核物理学的特性の最も大きな不確かさを解決し、宇宙初期の元素存在度を用いた初期宇宙の物理学の精査の信頼性を大きく高めるものである。

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