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大気科学:温暖化する世界では上陸したハリケーンの衰弱が遅くなる

Nature 587, 7833 doi: 10.1038/s41586-020-2867-7

ハリケーンが陸域を襲う際には、土地や建物、環境の破壊や人命の損失は、主に狭い沿岸地域に限定される。これは、ハリケーンが海洋の水蒸気からエネルギーを得ているため、その強度が上陸後急速に衰えるからである。温暖化する気候がハリケーンの発達に及ぼす影響に関しては、その多くの側面がかなりよく理解されているのとは対照的、そうした気候がハリケーンの衰弱に及ぼす影響はほとんど分かっていない。今回我々は、過去50年間に上陸した北大西洋のハリケーンの強度データを解析し、ハリケーンの衰弱が遅くなっており、時間の経過に伴う衰弱の減速が同時期に起こった海面水温の上昇に正比例していることを示す。従って、1960年代後半には、典型的なハリケーンは上陸後の初日にその強さの約75%を失ったのに対し、現在では約50%しか弱くなっていない。我々はまた、計算シミュレーションを用いて、海面水温の上昇が、ハリケーンが上陸時に運ぶ水蒸気の蓄積量を増やすことで、衰弱の減速を誘発していることを示す。この蓄積された水蒸気は、衰弱の理論モデルでは考慮されていない熱源となる。さらに我々は、気候が変えたハリケーンの軌跡の変化が、ハリケーンの衰弱のさらなる減速に寄与することを示す。今回の知見は、世界が今後も温暖化するにつれ、ハリケーンの破壊力が次第に内陸に広がることを示唆している。

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