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細胞生物学:RAD51に依存して起こる、TERRA lncRNAのテロメアへのRループを介する誘導
Nature 587, 7833 doi: 10.1038/s41586-020-2815-6
テロメアは、真核生物の染色体末端に見られるノンコーディング反復ヌクレオチドモチーフと関連タンパク質からなる構造で、ゲノムの安定性維持に関わり、細胞の寿命を決める。テロメア反復配列を含むRNA(TERRA)は染色体末端から転写される長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)の一種で、これらのRNAはテロメア伸長酵素のテロメラーゼとDNAの相同組換え修復を介して、テロメアのクロマチン構造とテロメアの維持を調節している。TERRAが染色体末端に誘導される仕組みは、ほとんど解明されていない。今回我々は、この基盤となる機構を詳細に分析するためのレポーター系を開発し、TERRAを染色体末端へと誘導するには、TERRAのUUAGGG反復配列だけで必要十分であることを明らかにする。TERRAは、トランスに形成し得るテロメアDNA–RNAハイブリッド(Rループ)構造の形成を介して、短いテロメアに選択的に結合する。テロメアの結合とRループ形成は、テロメア脆弱性を誘導し、これはリコンビナーゼRAD51とその結合相手であるBRCA2によって促進されるが、RNA監視因子であるRNアーゼH1とTRF1は促進を妨害する。RAD51はin vitroでTERRAと物理的に相互作用してTERRAとのRループ形成を触媒するので、DNAリコンビナーゼであるRAD51は鎖侵入によってTERRAの誘導に直接関与していると考えられる。これらの知見を総合することで、転写後のTERRAを介したRループ形成を制御するRAD51依存性経路が明らかになり、新しい座位にlncRNAをトランスに誘導する機構が示された。

