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神経科学:海馬CA2の鋭波リップルは社会的記憶を再活性化して促進する
Nature 587, 7833 doi: 10.1038/s41586-020-2758-y
空間記憶の固定は、最近の行動中に活動した海馬場所細胞の再活性化(「再生」)に依存している。そうした再活性化は、鋭波リップル(SWR)、すなわち、急速眼球運動を伴わない(ノンレム)睡眠時に見られ、その擾乱が空間記憶を障害する同期的振動性電気活動において観察される。海馬は宣言的記憶の非空間的形態も広範に符号化しているが、SWRがこうした記憶にも必要かどうかは分かっていない。また、SWRは海馬のCA3領域やCA2領域から生じ得るが、これらの領域からのSWRが記憶固定に占める相対的重要度も分かっていない。CA2は社会的記憶に必須の役割を持つため、今回我々は、社会的記憶(動物が同種の個体を認識し記憶する能力)の固定時におけるSWRの役割を、CA2に着目して検討した。その結果、SWRの際には、既知ではない同種個体の社会的探索中に活動するCA2錐体細胞の集団が再活性化されていることが分かった。重要なことに、CA2からのSWRを阻害すると社会的記憶は抑制され、CA2からのSWRを増強すると社会的記憶が長期化した。従って、最近の経験に関連した海馬の発火がSWRを介して再活性化することが、空間的・時間的・感覚的情報を、社会的記憶などの高次の記憶表現に結び付けるための共通機構と考えられる。

