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細胞生物学:Ki-67による染色体クラスター化は核の組み立て中に細胞質を排除する
Nature 587, 7833 doi: 10.1038/s41586-020-2672-3
真核生物における遺伝子発現では、核での転写やRNAプロセシングと、細胞質ゾルでの翻訳を効果的に分離する必要がある。この分離は、核膜孔を介して巨大分子の交換を制御している核膜によって実現される。しかし動物細胞や植物細胞では、有糸分裂中に核膜が消失し、細胞質と核の構成要素が混ざり合うようになる。核膜が再形成されると、細胞質の構成要素は、受容体を介した輸送により核膜孔を通じて核から除去される。しかし、これらの核膜孔には39 nmというサイズ制限があり、これより大きな細胞質分子がどのようにして核から除去されるのかという疑問が生じる。今回我々は、HeLa細胞において、細胞質の大きな構成要素は、染色体が密集クラスターに移動することで、核膜の組み立て前に排除されることを示す。このクラスター化は、染色体が分裂後期紡錘体の極に接近する時に起こり、界面活性剤様タンパク質Ki-67が関与する、微小管非依存的機構により仲介される。Ki-67は有糸分裂の初期段階に反発性の分子ブラシを形成するが、このブラシは有糸分裂終了時に崩壊し、Ki-67は染色体のクラスター化を促進するようになる。また、有糸分裂後の核からの成熟リボソームの排除は、Ki-67が調節する染色体クラスター化に依存することが分かった。従って、我々の研究から、染色体の機構が、「開いた有糸分裂」後の区画化の再確立に役立っていることが明らかになった。

