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免疫学:単回投与のAd26ワクチンはアカゲザルにおいてSARS-CoV-2を予防する

Nature 586, 7830 doi: 10.1038/s41586-020-2607-z

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)を終わらせるためには、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する安全で効果的なワクチンが必要となるかもしれない。世界的配備とパンデミック抑制のためには、ワクチンは1回のみの接種で済むことが最善であろう。今回我々は、非ヒト霊長類でSARS-CoV-2のスパイク(S)タンパク質を発現するアデノウイルス血清型26(Ad26)ベクターを用いたワクチンの単回投与の免疫原性と予防効果について報告する。アカゲザル(Macaca mulatta)52頭に、SバリアントをコードするAd26ベクターあるいはシャム対照を用いて予防接種を行った後、経鼻的および経気管的にSARS-CoV-2チャレンジを行った。最適なAd26ワクチンはロバストな中和抗体応答を誘導し、SARS-CoV-2チャレンジ後の気管支肺胞洗浄液や鼻腔スワブで、完全または完全に近い予防効果をもたらした。ワクチンによって誘導された中和抗体の力価は予防効果と相関しており、予防効果の免疫相関が示唆された。これらのデータは、単回投与ワクチンによる、非ヒト霊長類でのロバストなSARS-CoV-2の予防効果を示している。今回の最適なAd26ベクターベースのSARS-CoV-2ワクチンは、Ad26.COV2.Sと命名され、現在臨床試験で評価中である。

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