微生物生態学:さまざまな哺乳類における風疹ウイルスに近縁なウイルス
Nature 586, 7829 doi: 10.1038/s41586-020-2812-9
1814年に風疹が初めて記述されて以来、この疾患の起源やその原因である風疹ウイルス[マトナウイルス科 (Matonaviridae)ルビウイルス属(Rubivirus)]についてはよく分かっていない。今回我々は、アフリカのruhuguウイルスとヨーロッパのrustrelaウイルスについて報告する。これらは我々が知る限り、風疹ウイルスの近縁ウイルスであることが初めて分かったウイルスである。ruhuguウイルスは、風疹ウイルスに最も近縁で、ウガンダの健康に見えるキュクロプスカグラコウモリ(Hipposideros cyclops)で見つかった。rustrelaウイルスは、風疹ウイルスとruhuguウイルスからなるクレードの外群で、ドイツの動物園で飼育されている急性脳炎の有胎盤動物および有袋動物、その動物園および近傍に生息する野生のキクビアカネズミ(Apodemus flavicollis)で見つかった。ruhuguウイルスとrustrelaウイルスは、風疹ウイルスと同一のゲノム構造を共有している。風疹ウイルス、ruhuguウイルス、rustrelaウイルスの融合(E1)タンパク質における4つの推定B細胞エピトープのアミノ酸配列と、風疹ウイルスおよびruhuguウイルスのキャプシドタンパク質における2つの推定T細胞エピトープのアミノ酸配列は中程度から高度に保存されていることが分かった。融合後の状態でのE1ホモ三量体のモデル化から、ruhuguウイルスと風疹ウイルスは宿主細胞膜に対して同様の融合能を持つことが予測された。まとめるとこれらの知見から、マトナウイルス科の一部のウイルスは宿主種間の大きな障壁を越えられること、そして風疹ウイルスはおそらく人獣共通の起源を持つことが示された。我々の知見は、将来、風疹様ウイルスの人獣共通伝播が起こる懸念を生むものであるが、風疹と先天性風疹症候群の比較研究や動物モデルを推進するだろう。

