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生態学:東南アジアにおける大型動物相とヒト族の絶滅の環境的駆動要因

Nature 586, 7829 doi: 10.1038/s41586-020-2810-y

東南アジアは、ヒト族と哺乳類の移動および絶滅を理解する上で重要な地域として、認識が高まってきている。注目を集めた複数の発見によって、東南アジアには少なくとも5種類のヒト属(Homo)が存在したことが示された。更新世の大型動物相の大規模な入れ替わりは、これまでヒト族または気候変動と関連付けられてきたが、東南アジアは大型動物相の絶滅に関する議論では除外されることが多かった。古くからヒト族進化の中心地であったアフリカでは、ヒト族進化の環境的背景やヒト族進化と動物相変化との関係性を確立する試みにおいて、かねてより安定同位体を用いる方法によって情報が得られてきた。しかし、東南アジアではそうした研究がほとんど行われてこなかった。本論文では、東南アジアの哺乳類に関する、第四紀全体にわたる安定同位体データの大規模なデータセットを提示する。これらのデータから、前期更新世の森林が中期更新世までにはサバンナに変わり、これに伴ってグレーザー(主に草本を採食する動物)が広まり、ブラウザー(主に木本の葉や若芽を採食する動物)が絶滅したことが明らかになった。ただし、地質年代学的な限界のため、全てのサンプルが氷期または間氷期に絞り込まれたわけではない。その後、サバンナは後期更新世には後退し、完新世には完全に消滅して、顕著な階層構造を有する林冠が閉鎖した多雨林に取って代わられた。その結果、多雨林に適応した種、ならびにヒト族の中でも特殊な適応的可塑性を持つホモ・サピエンス(Homo sapiens)が優勢となり、ホモ・エレクトス(Homo erectus)などのサバンナや疎林に特化したスペシャリストは姿を消した。現在、大型動物相は多雨林に限定されており、森林伐採によって深刻な絶滅の危機にさらされている。

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