Article

構造生物学:two-pore domain K+チャネルTASK2でのpH依存性ゲート開閉の構造基盤

Nature 586, 7829 doi: 10.1038/s41586-020-2770-2

TASK2チャネル(別名KCNK5チャネル)は、pH依存性漏洩型K+電流を発生して、細胞の電気興奮性を制御している。TASK2は、脳幹にある後台形核の化学感覚ニューロンによる呼吸の調節と、腎近位尿細管細胞によるpH恒常性に関与している。これらの役割は細胞内および細胞外のアルカリ化によるチャネル活性化に依存しているが、pHによるTASK2ゲート開閉機構の基盤は解明されていない。今回我々は、脂質ナノディスク中に置かれたハツカネズミ(Mus musculus)のTASK2の開と閉のコンホメーション状態のクライオ電子顕微鏡構造を示す。2つのゲートが見つかったが、これらは以前に観察されたK+チャネルのゲートとは異なっていて、膜のどちらの側の刺激によっても制御されることが分かった。細胞内ゲート開閉は、内部のヘリックスにあるリシンのプロトン化と細胞質とチャネルの間でのタンパク質によるシール形成が関与している。細胞外からのゲート開閉には、チャネル表面のアルギニンへのプロトン付加と、それに相関したコンホメーション変化が関わっていて、このコンホメーション変化によってK+選択性フィルターの移動が起こり、チャネルが非伝導状態になる。これらの結果は、細胞内部と外部のプロトンが、細胞内ゲートと選択性フィルターであるゲートを制御する仕組みを説明している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度