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がん:T細胞による殺傷のがん固有の回避についての機能的なゲノムの全体像

Nature 586, 7827 doi: 10.1038/s41586-020-2746-2

がん細胞が宿主の免疫系による破壊を回避できるようにするための遺伝子回路については、ほとんど解明されていない。今回我々は、がん細胞が細胞傷害性T細胞(CTL)を介した殺傷を回避できるようにする、表現型がロバストな、遺伝子や経路のコアセットを特定するために、CTL存在下で培養された遺伝的に多様なマウスがん細胞株パネルにおいて、ゲノム規模のCRISPRスクリーニングを行った。その結果、これらのマウスがんモデル全体で182遺伝子からなるコアセットが特定され、個々の遺伝子の撹乱によって、CTLを介した毒性に対するがん細胞の感受性あるいは抵抗性が増強されることが明らかになった。遺伝的な共類似性を用いて我々のデータセットを系統的に調べたところ、がん細胞では遺伝子と経路が階層的および協調的に機能してCTLの回避を調整していることが明らかになり、インターフェロン応答や腫瘍壊死因子(TNF)誘導性の細胞毒性を制御する個別の機能モジュールが主要なサブ表現型であることが分かった。我々のデータは、これまでII型インターフェロン応答の負の調節因子(Ptpn2Socs1Adar1など)と特定されていた遺伝子が、CTL回避の仲介において中心的な役割を持つことを立証しており、脂肪滴関連遺伝子Fitm2がインターフェロンγ(IFNγ)への曝露後の細胞適応度の維持に必要であることを示している。さらに我々は、オートファジー経路ががん細胞によるCTL回避の保存されたメディエーターであることを突き止め、この経路がサイトカインであるIFNγやTNFによって誘導される細胞毒性に抵抗するために必要であることを示す。in vivoでのCRISPRスクリーニングに加え、サイトカインやCTLを基盤とする遺伝的相互作用のマッピングから、オートファジーの多面的効果がCTLによる殺傷のがん細胞固有の回避を制御する仕組みが示され、これらの効果の腫瘍微小環境内での重要性が浮き彫りになった。まとめると今回のデータは、がん細胞による免疫系の回避に関与する遺伝子回路についての我々の知識を拡大し、CTLによる殺傷の回避に関連する表現型に関与する遺伝的相互作用を明らかにしている。

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