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細胞生物学:複製されたヒトゲノムでの姉妹染色分体のコンホメーション
Nature 586, 7827 doi: 10.1038/s41586-020-2744-4
ゲノムの三次元構造は、調節された遺伝子発現、組換え、DNA修復、有糸分裂の際の染色体分離を支えている。染色体立体配座捕捉法であるHi-C法での解析により、脊椎動物細胞における内部染色体構造の複雑なゲノムの全体像が明らかになったが、複製された染色体中で染色分体のトポロジカルな相互作用がどのようになっているのかは、姉妹染色分体が同一の塩基配列を持つために解明が難しかった。本論文では、新生DNAの4-チオチミジンによる標識付けとヌクレオシド変換反応とを用いるscsHi-C(sister-chromatid-sensitive Hi-C)法について報告する。ゲノム規模のヒト染色体コンホメーションマップから、姉妹染色分体対が相互作用する頻度が最も高いのは、トポロジカルドメイン(TAD)の境界であることが明らかになった。コヒーシンが動的プールから絶えず供給され結合することによって、TAD内部では姉妹染色分体対が分離されており、このコヒーシンの結合が、姉妹染色分体の接触をTADの境界に集中させるのに必要であることが分かった。我々は、全体が高度に対を作っていて条件的ヘテロクロマチンが特徴となっているTADの一群と、個々の姉妹染色分体対の内部で離れて形成される遮蔽されたTADとを明らかにした。姉妹染色分体のトポロジーの多様なパターンと今回開発したscsHi-C技術によって、同一のDNA分子間の物理的相互作用がDNA修復、遺伝子発現、染色体分離を始めとするさまざまな生物学的過程にどのように寄与するかの解明が可能になるだろう。

