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幹細胞:再プログラム化のロードマップから明らかになったヒト誘導栄養膜幹細胞への経路

Nature 586, 7827 doi: 10.1038/s41586-020-2734-6

ヒト体細胞の、プライム型あるいはナイーブ型の誘導多能性幹細胞への再プログラム化は、胚の初期発生段階を再現する。これらの再プログラム化過程を支える分子機構はほとんど調べられていないため、我々の理解が妨げられたり、再プログラム化プロトコルの合理的な改善が制限されたりしている。今回我々は、これらの問題に取り組むために、単一細胞トランスクリプトミクスを用いて、ヒト皮膚繊維芽細胞の分子的な再プログラム化の道筋を再構築した。その結果、プライム型やナイーブ型の多能性状態への再プログラム化は、分岐した異なる道筋をたどることが明らかになった。また、接近可能なクロマチンのゲノム規模の解析から、コア多能性遺伝子群の調節エレメントにカギとなる変化が複数あること、そしてクロマチン接近性が時間とともにいくつかの調整された全体的な変化を経ることが分かった。これらのデータセットの統合解析から、栄養外胚葉の細胞系譜に関連する転写因子が役割を持つこと、そして再プログラム化の際に栄養外胚葉様の状態に入る細胞の亜集団が存在することが明らかになった。さらに、この栄養外胚葉様の状態を捉えられたことで、誘導栄養膜幹細胞の樹立が可能になった。誘導栄養膜幹細胞は、ヒトの胚盤胞あるいは妊娠第1三半期の胎盤に由来する栄養膜幹細胞と分子的および機能的に類似していた。我々の結果は、ヒト体細胞の転写因子を介した再プログラム化のための高分解能ロードマップを提供し、この過程における栄養外胚葉細胞系譜特異的な調節プログラムの役割を示すとともに、体細胞の誘導栄養膜幹細胞への直接再プログラム化を促進するものである。

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