気候科学:全球の自然林再生による炭素蓄積能のマッピング
Nature 585, 7826 doi: 10.1038/s41586-020-2686-x
地球温暖化を抑えるには、温室効果ガスの排出を大幅に削減し、過剰な大気中の二酸化炭素を回収する必要がある。自然林の再生は、より多くの炭素を捕捉するための優れた戦略であるが、その潜在能力の正確な評価は、炭素蓄積速度が不確かで変動するため制限されている。今回我々は、蓄積速度が異なる理由と場所を評価するために、1万3112件の炭素蓄積の地理参照測定結果をまとめた。蓄積速度の変動は土地利用の履歴より気候要因によってよく説明されるため、我々は、野外測定の結果と66の環境共変量レイヤーを組み合わせて、自然林の再生の最初の30年間における潜在的な地上炭素蓄積速度について、分解能が1 kmの全球マップを作製した。このマップは、全球では蓄積速度の変動が100倍を超えており、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が既定値とする蓄積速度は地上の炭素蓄積速度を平均で32%過小評価していて、生物地理区内の8倍の変動を捉えていないことを示している。逆に、自然林の再生による気候緩和の最大能力は、潜在的な新しい森林の場所に対して過度に高い蓄積速度を用いていた以前の報告より11%低いと、我々は結論付ける。今回我々が集めたデータには以前の取り組みよりも多くの研究と地域が含まれているが、我々の結果はデータの利用可能性(10か国に集中)とデータの質(研究によって異なる)に依存している。しかし、これらの調査プロットは、(北アフリカと北東アジアを除いて)炭素蓄積速度を予測した地域全体の環境条件の大半をカバーしている。従って、気候緩和戦略としての自然林の再生を評価するための、ロバストで全球的に一貫したツールが得られたことになる。

