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心血管遺伝学:心臓のフラクタル構造に関する遺伝学的・機能的手掛かり
Nature 584, 7822 doi: 10.1038/s41586-020-2635-8
ヒトの心臓の内表面は、筋繊維束(肉柱)の複雑なネットワークによって覆われており、このネットワークは胚発生の名残りだと考えられている。成人におけるこれらの肉柱の機能や、その遺伝学的構造については分かっていない。今回我々は、英国バイオバンクの参加者1万8096人における肉柱形態のフラクタル解析を用いて、ゲノム規模関連研究を行い、肉柱の画像から抽出された表現型について調べた。その結果、血流動態表現型や細胞骨格分岐形成調節に関連する遺伝子など16の重要な座位が特定された。我々は、生体力学的シミュレーションと参加者から得た観察データを用いて、肉柱の形態が心機能の重要な決定要因の1つであることを実証する。心疾患表現型とメンデル無作為化による遺伝学的関連研究からは、肉柱形態と心血管疾患リスクの間の因果関係が見つかった。これらの知見は、心筋肉柱の成人の心機能におけるこれまでに知られていなかった役割を示唆しており、構造的複雑性を調節する保存された経路を特定したもので、心筋肉柱が心血管疾患感受性に及ぼす影響を示している。

