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細胞生物学:異種細胞間のコミュニケーションは腺幹細胞の多能性を調節する

Nature 584, 7822 doi: 10.1038/s41586-020-2632-y

乳腺や前立腺などの腺上皮は、基底細胞(BC)と管腔細胞(LC)で構成されている。多くの腺上皮は、多能性の基底幹細胞(BSC)から発生し、これらのBSCは成体期になると単能性幹細胞の区別可能な複数のプールに置き換えられる。しかし、成体の単能性BSCは、再生条件下やがん遺伝子発現の際に多能性を再活性化させることがある。これは、正常な生理的条件下ではBSCの多能性を制限する機構が機能していることを示唆しているが、この機構の性質は分かっていない。今回我々は、in vivoのマウスとin vitroのオルガノイドの両方において、LCの除去によって、複数の上皮のBSCの多能性が再活性化されることを示す。細胞集団および単一細胞のRNA塩基配列解読から、LCの除去後、BSCがBCとLCのハイブリッド分化プログラムを活性化した後にLCが生じることが明らかになった。このプログラムは胚発生の際に多能性を調節する遺伝的プログラムに類似している。単一細胞データからリガンド–受容体対を予測することにより、正常な生理的条件下でBCの多能性を制限するのは、LCが分泌するTNFであることが分かった。対照的に、Notch、Wnt、EGFRの経路は、LCの除去後、BSCおよびその子孫細胞で活性化されており、これらの経路を遮断したり、TNF経路を刺激したりすると、再生によって誘導されるBC多能性が抑制された。我々の研究は、LCとBCの間の異種細胞間コミュニケーションが腺上皮幹細胞の細胞系譜の忠実性の維持に不可欠であることを実証している。

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