Article

神経科学:線虫のニューロンの全クラスを表す固有のホメオボックスコード

Nature 584, 7822 doi: 10.1038/s41586-020-2618-9

ニューロンの細胞タイプの多様性(解剖学的、生物物理学的、機能的、分子的な、細胞タイプ特異的シグネチャーによって定められる)を、ニューロンアイデンティティーの比較的単純な分子記述子で表現できるかどうかは、今のところ分かっていない。今回我々は、線虫の一種であるCaenorhabditis elegansのゲノムにコードされている保存されたホメオドメインタンパク質全ての発現を調べることにより、C. elegansのニューロンの118クラスの完全なセットが、ホメオドメインタンパク質の発現の固有の組み合わせによって個別に記述できることを示す。我々の知る限り、これはニューロンの多様性を表す、既知で最も単純な記述子である。計算解析および遺伝学的機能喪失解析によって、ホメオドメインタンパク質がニューロンタイプに固有の記述子であるだけでなく、ニューロンのアイデンティティーを指定する際にも重要な役割を担っているという考えが裏付けられた。固有のニューロンアイデンティティーを定める際にホメオボックス遺伝子が広く用いられていることは、ニューロンの細胞タイプ指定が進化してきた歴史を反映していると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度